お金の使い道


by do75hqjtba

本当に“派遣村”だった? 存在意義めぐり議論(産経新聞)

 年末年始に住居がない失業者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」が18日朝、2週間の延長を経て“廃村”される。これまで就活費の目的外使用や施設内での盗みなど、信じられないような事態が次々と明らかになり、15日には所在不明者111人が一度に退所処分となった。石原慎太郎都知事は記者会見で、「全員とは言わないが身勝手な入所者がかなりいる。(次回は)国が自分の責任でやったらいい」と見切りを付けた。今季の派遣村は運営方法のあり方だけでなく、その存在意義にも議論が及んでいる。

 ■壮大なあら探し?

 東京都が実施する今回の公設派遣村のきっかけを作った昨冬の年越し派遣村。その元村長で内閣府参与の湯浅誠氏が15日付の「都政新報」に派遣村に否定的な報道への反論を寄稿した。「水に落ちた犬を打て?」との見出しで、名指しで批判されたメディアは産経新聞と朝日新聞の2紙。いわく「壮大なあら探しの包囲網」。

 湯浅氏がその根拠の1つに挙げたのは1月4日の出来事。宿泊施設がオリンピックセンター(渋谷区)から大部屋の労働者用宿泊施設(大田区)に移転する前日、1日だけ入所者全員がカプセルホテルに宿泊した経緯を“ごね得”と報じた件だ。

 派遣村の当初の閉所予定日だった4日以降も住居が決まらない人が約800人いたことから、都は施設を大田区の施設に移したうえで2週間の存続を決めた。その際、同日の宿泊場所に一部の入所者が施設ではなくカプセルホテルに泊まることが決まったことに他の入所者の不満が噴出し、結局全員(800人)分がカプセルホテルに宿泊することになった。

 湯浅氏は「4日以降の行き先が伝えられず不安が限界を超えた利用者たちの質問攻めがあり、それが人として理解できる感情の動きだと了解されたがゆえ」という。

 しかし、都職員の1人は「暴動寸前だった」と明かす。「大勢の入所者が詰めかけ、火災報知機が複数鳴らされ、大騒ぎだった」。入所者の男性(68)も同様の証言だ。「『窓ガラスを割ったら警察が来てマスコミも集まる』と騒ぐ者や、紙つぶてを職員に投げつける者もいた。全入所者の8割ぐらいが部屋から出てきて集まったんじゃないか」

 「あれが『人として理解できる感情の動き』かなあ…」とは、都幹部の感想だ。「『なぜ大みそかに年越しそばやもちが出ないのか』と責められてもね」

 一方、大田区の施設では別の都職員が「今日も入所者から『差別するな。土下座して謝れ』といわれた」と自嘲(じちょう)していた。理由はその入所者の生活保護の申請先が、「審査が通りにくい」と入所者の間でうわさされる区に割り振られたからだった。“ごね得”は4日だけのことだったのか。

 湯浅氏が批判する、もう1つの報道が「200人が無断外泊」。

 産経新聞では「所在不明者」と記載している。この数字は、登録入居者数から夕食の配膳(はいぜん)数と外出したまま戻らない登録入居者数を引いたものだからだ。一部夕食を取らなかった入居者もいるが、都が発表した数字だ。

 前回の派遣村の関係者で作る市民団体「ワンストップの会」も12日に会見を開き、「実際の行方不明者は40数人」として誤った報道を正すことを都に要求した。

 だが、この数字は都による日々の集計に基づいたもので、実際、都はこの集計に基づいて15日の一斉退所処分を実施した。都の集計によると、同日は処分者以外に行方不明者7人、外出したまま戻らない者が87人いたという。

 ■「ひさしを貸して母屋を取られた」

 今回の派遣村は国の緊急雇用対策の一環。都が実施するが、費用は国の負担だ。

 都は当初、受け入れ対象者について、「都内に生活実態がありながらを住居を持たず、都内のハローワークで求職登録の手続き済みの者」に限定。さらに昨年12月28日までの入所申し込みを条件にした。結果、昨年12月25日時点では申込者は約100人で、派遣村開設直前までは想定の500人を大きく下回っていた。

 しかし、誤算は開村初日から始まった。予想を遙かに超える入所者が当日朝の受付開場には集まり、最終的には830人を超えた。

 湯浅氏は「都政新報」で「都の職員たちは、一生懸命、運営に当たっていた。最終的な利用者数が誰にも予想できない中、誰がやっても完璧(かんぺき)なオペレーションは不可能だった」と指摘するが、「最終的な利用者数」の予想が大幅に超えた背景には、ワンストップの会の広報活動が大きい。

 同会のスタッフは都の広報活動が不十分として、街中でチラシ配布などを実施した。実際、多くの入所者が野宿していた公園や路上でチラシを受け取り、「寝泊まりできる場所がある」と誘われたと話す。

 都はオリンピックセンターでは、同会の常駐を認めていなかったが、大田区の施設に移転してからは入所者の後押しで常駐が認められた。

 都は「都とワンストップの会の活動目的が一致したため」としているが、一方で「ひさしを貸して母屋を取られた典型。ワンストップの会にじゃまばかりされた」と本音を漏らしたのは別の都幹部だ。

 その最たる事例は、大田区の施設で当初、1日1千円の就活費を支給するはずが、同会の要望で1月18日までの就活費と昼食費の2万円を一括支給に切り替わったことだ。2万円の支給当日の夜、200人もの入所者が所在不明となったほか、一部の入所者が酒やタバコを購入する姿が目撃され、「パチンコをしていた者もいた」(入所者の男性)という。

 村の運営費も当初の見積もり6千万円を大きく超え、最終的には1億数千万円とみられている。同会の女性スタッフは「都の見積もりが甘かったのだと思う」と話した。

 ■本当に“派遣”村だったのか?

 入所者の中には数年間にわたり路上生活を続けていた人もいた。昨年末に職場を解雇されインターネットカフェにいたという男性(46)は「入所者と話していると、3分の1ぐらいは就労意欲がないと感じる」。

 就労を目指す別の男性(51)も「施設では盗まれるのが怖くて現金を持ち歩けなかった。実際は派遣切りなどではなく、一時金目的のホームレスのような人も多かった」とし、「背景や目的が違う者を無条件に大量に入所させたことがトラブルの原因。同じように扱われたくなかった」と苦虫をかみつぶした表情で続けた。

 確かに派遣村を巡る騒動の一因に、不慣れから来る都の対応のまずさもあったことは間違いない。大半の担当職員の本音は石原知事と同様、「言い出した国が自分の責任でやればいい」というものだった。

 本当に「水に落ちた犬を打った」のは誰なのか? それは決して少なくない数の“一部”の不心得な入所者ではなかったか。そして、打たれたのは、真に困窮する入所者に加え、それぞれの事情を抱えながら努力する“村の外”の人々の矜持(きょうじ)だったはずだ。

 ■「貧困者対策は必要だが…」

 一方、厚労省内では14日、年末年始対策の課題などを話し合う会合が開かれた。その席上、東京都の公設派遣村で多数の所在不明者が出たことも議論になった。

 会合に出席した湯浅氏は「さまざまな批判の報道がありますが、まじめに活動して仕事を見つけて立ち直った人もいる。そういった事実も知ってもらいたい」と強調した。

 しかし、会合では“村民”の中で職が見つかったり、生活保護の受給が決まった人の人数や派遣村の運営にかかった費用は明らかにされなかった。

 出席者の一人だった総務省の小川淳也政務官は「貧困者対策はもちろん必要」とした上で、「公費が使われているのだから、費用がどのくらいかかり、どの程度効果があったのかを国民に示す必要がある。そうでなければ、ただ単に、『困っている人を助けている』という印象になってしまう」と語った。

 都は来月の都議会に向けて派遣村の分析を進めており、その実態を巡る議論が今後、本格化する見込みだ。

 雇用対策なのか、貧困者対策なのか−。その点があいまいになっていることも、公設派遣村に対する違和感の要因になっているようだ。

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by do75hqjtba | 2010-01-21 23:24